チャップマン反射

今回はチャップマン反射について書きたいと思います。

これは1920年代にアメリカのフランク・チャップマンD.Oによってマップ化された、内臓疾患と体の特定の部位の圧痛との関連を示したものです。

アメリカのD.O(ドクター・オブ・オステオパシー)は投薬、外科手術など全ての医療行為ができる医師のため、当然内臓疾患の診断、治療も行います。

そのため、手技を中心に治療を行っているD.Oの中には、現在でもこの反射点を用いている人たちがいます。

以下に、日本にもセミナーで何度か来たことがある、R・V・ヴァスカークD.Oの著書からの引用を書きます。

 


診断的にはその反射点は、内臓の機能障害がある時に身体の特定の位置に、存在する軟部組織の小結節である。これらの反射点は筋筋膜下の皮下組織内で位置が決定され、中国医学で経絡に器官が配置されるように、マップが作られている。

 

どの小結節もそれが現れるのは、対応する器官に機能障害があるときだけで、器官の機能が改善すると小結節は消える。

 

したがってこれは診断ツールとして非常に頼りになる。著者が家庭医として診断していたとき、チャップマン反射は内臓の「バー」とともに重要なツールで、そのおかげで左胸の痛みの原因が心臓にあるのか、食道にあるのか正確に区別をすることができた。

 

それは、診断の確認のために患者を照会した心臓の 専門医や消化器病学の専門家が驚いたほどである。

 


このように、非常に効果的なツールであるにもかかわらず、現在は画像診断などの普及により、ほとんど用いられていないようです。

チャップマン反射では、体の前面、背面に全身の内臓疾患の圧痛ポイントがマップ化されていますが、その代表的なものの1つとして虫垂炎の診断に使われる、右の第12肋骨の先端の圧痛点を紹介します。

虫垂炎の触診による診断では一般的には右下腹部のマックバーニー点、ランツ点、あるいはロヴシング徴候などが用いられますが、診断の精度をさらに上げるために、一部のD.Oはこの右第12肋骨先端の圧痛を調べます。(日本では、虫垂炎が理由でオステオパシーの施術を受ける方はまずいないとは思いますが。)

右下腹部に痛みがあり、右第12肋骨先端にも痛みがあると虫垂炎を発症している確率が、かなり高いということになります。

ちなみに虫垂の交感神経支配はT11,12(第11、12胸椎)のレベルあたりなので、それを考えるとこの関係も納得できるのではないかと思います。

現在では、チャップマン反射点は虫垂炎の診断には利用しても治療にはまず、使われていないのではないかと思いますが、オステオパシーの創始者A.T.スティルは生涯に数百例の虫垂炎を外科手術をせずに手技で治療したと、その著書に書いてありますので、次回はスティルの虫垂炎に対する見解とその治療法を書きたいと思います。