2回にわたり、リンパの重要性と、リンパの流れを良くするには静脈角を開くことと、胸郭の動きが重要だということを書きました。
今回は、そのために自分でできるストレッチを書きたいと思います。
これは、私が考えたものではなくロバート・フルフォードD.Oが書いた「いのちの輝き」という本に載っているエクササイズの中の1つです。
本では、特にリンパのためとは書かれていませんが、私なりに1番の目的は呼吸を深くするとともに、体液の循環を良くするためだと、理解しています。
フルフォード先生はアンドルー・ワイル博士の「癒す心、治る力」という本の中でも、寡黙な老医師として紹介されていますが、ここでも少し紹介したいと思います。
彼は、すでに亡くなられましたが90歳を過ぎても、現役で治療を行っていたアメリカのオステオパシー医師で、手技医療であるオステオパシーの伝統を守り、手技だけで生涯に数万人の患者を治療した伝説的な人です。
ちなみに、アメリカのオステオパシー医は、投薬、外科手術など、すべての医療行為ができます。
「いのちの輝き」には、全部で8種類のエクササイズが載っていますが、今回はその中で、1番最初に書かれているものです。
1番最初ということは、1番重要だと私は理解しています。
まずは、下の図を見てください。
本の文章をそのまま、書いていきます。
両足を肩の幅に広げて立ち、両腕をほぼ肩の高さで真横に、水平に伸ばす。
左の手のひらを上に、右の手のひらを下に向ける。
左の手のひらを上に向けたままにしておくことは、体を緊張させ、筋肉を伸ばすのに役立つ。
ゆっくりとした、深い呼吸をつづけることを忘れないように。
できれば10分間、この姿勢を続ける。(私は8分以上できないが)時間は長いほどいい。
筋肉が疲れて、それ以上水平を保っていられなくなったら、両腕を真っすぐに伸ばしたまま、ゆっくりと頭の上にあげていく。
腕を体の前面にもってこないこと。
上にあげたまま深呼吸をしてから、両腕をゆっくりと下げ、体の両脇におさめる。
このエクササイズが、きつすぎるという患者が多かったので、改良版をつくった。
長椅子の中央に腰をかけ、両腕を長椅子の上にのせる。
この時も、左の手のひらは上に、右の手のひらは下に向ける。
そのまま静かに、15分間座っている。
このエクササイズは腕と肩の筋肉をほどよく緊張させ、背中の
筋肉を伸ばすのに役立つ。
正しいやりかたで続けていけば、そのうち、肩の筋肉組織が開き始めるのを感じ、呼吸が自然に深くなっていく。
以上が本の内容です。
実際にやってみるとわかりますが、立って行うバージョンはかなりきついです。
ですから、私は後半に書いてある、らくちんバージョンをお勧めしています。
ソファーに座って、テレビを見る時などにこれをやっていると、少しづつ、体が開いていきます。
ところで、このエクササイズの手の向き。
左が上で右が下。
本の中では、理由を説明していないので、この本を読んだことのある方は、なぜ?と感じたかもしれません。
この手の向きは、ひとの筋膜パターンを理解していないとわからないので、次回は「ジンクの筋膜パターン」と呼ばれるものを紹介したいと思います。